病院の首イボ治療には、どのような方法があるのでしょうか。
まず、保険適用の治療からご紹介致します。
※費用については、健康保険の自己負担額が3割の方を想定しています。
1.医療用ハサミで除去
<費用>
・イボ1個につき100円~500円程度
(初診料・診察料金が1,000円~3,000円ほどかかります)
<対象となるイボ>
・老人性イボのうち、直径5mm以下の突起したイボ
<メリット>
・費用が安い
・痛みがない(場合が多い)
・周りの皮膚を傷つけず、イボだけを切り取ることができる
・1回の治療で終る
<デメリット>
・イボの形状や大きさによっては治療することができない
・ウィルス性イボの治療はできない
<治療方法・治療後の経過の傾向>
医療用のハサミでイボを切り取ります。痛みはない場合が多いのですが、人により、多少の痛みを感じる方もいます。出血もありますが、ほとんどの方が少量で済みます。除去後に傷を消毒して、絆創膏を貼って治療は終了です。
↑ 医療用ハサミでの除去後
治療時間はほんの数分です。ハサミで切るというと少し怖い感じがしますが、医師が行えばとても安全です。イボだけを切り取るので、跡も残りにくいというのも大きなメリットです。小さめかつ突起している老人性イボにお悩みの方には最適な方法と言えます。とても受けやすい治療ではありますが、治療できるイボが限られているので、受けられない場合もあります。
2.液体窒素療法(冷凍凝固法)
<費用>
・1回の治療につき1,000円程度
(※イボの数による変動はあまりありません。初診料、診察料金が別途かかります)
<対象となるイボ>
・どんなイボでも治療できます。
<メリット>
・ほとんどの皮膚科で行われている
・費用が安い
・麻酔不要で手軽に受けられる
・一回の治療時間が短い(5分程度)
<デメリット>
・痛みが強い場合がある
・シミのような跡が残ってしまう
・何度も治療に通う必要がある(完治までには半年~1年ほどかかる)
・ウィルス性イボでは再発のリスクがある
<治療方法・治療後の経過の傾向>
イボができている部分に、-196℃の液体窒素を当てて、組織を凍結・壊死させます。綿棒で液体窒素を当てる方法が一般的ですが、クライオサージ(液体窒素をスプレーする道具)を使ってスプレーする方法を取り入れているところもあります。
低温やけどにより、異常な細胞を壊し、新しい皮膚を再生させることでイボを除去するという治療です。 麻酔は不要ですが、低温やけどを起こすので、やはり痛みが伴ってしまい、人によっては激痛を感じることもあります。老人性イボの治療の場合には、あまり強く液体窒素を当てる必要がないので、少しの痛みで済む場合が多いです。そして、治療後には炎症が起こり(水ぶくれができる場合もあります)、かさぶたになります。このかさぶたはとても目立ちますので、首イボを液体窒素で治療するときは、治療後2週間以内に大事な予定がない日を選んでください。
この治療を2~4週間間隔で、イボが完治するまで続けます。人によっては完治まで1年以上かかってしまう場合もあります。また、完治後もウィルスが取り切れていなかった場合にはイボが再発してしまいます。首イボ対策(外から内からともに)を念入りに続けて再発のリスクをできるだけ減らしましょう。
そして、最も知っておいていただきたいのは、完治したあとに、「炎症後色素沈着」というシミのような跡が残ってしまうことです。炎症後色素沈着は、液体窒素による治療を行った人のうち、約9割の人に現れると言われています。
↑ 炎症後色素沈着
イボが治ったと思ったら、今度はシミに悩まされる・・・というのは避けたいところ。この記事を読んでいる方は、首イボを治してキレイな首すじを手に入れたいと思っている方が多いと思います。ですので、液体窒素療法(冷凍凝固法)は、おすすめできません。
以上の2つが保険適用の治療です。
条件に合えば、医療用ハサミで簡単にとってしまいたいところですが、やむを得ず液体窒素を使う場合は、治療後の経過予測やリスクについて、医師の説明を良く聞いてから治療を受けてください。
首は、日常生活においてとても目立つ部分です。
保険適用外の治療は、費用はかかりますが、その分良い効果が期待できます。「とにかくキレイに治したい!」という方は、無理に保険適用の治療で済ませようとはせず、保険適用外の治療にも目を向けてみてください。保険適用外の治療については、次の記事で解説致しますのでぜひご覧くださいませ。
以上、「保険適用の首イボ治療「医療用ハサミと液体窒素」」について解説させて頂きました。